第12話・京都の夜にウィラポン

 前回までのあらすじ
 京都観光2日目。昼食に絶品のお好み焼きを食べ、観光も存分に楽しんだみっつと岩夫は明日には離れる京都に名残惜しさを感じていた。
 京都最後の夜に付近の散歩をすることにした2人は京都大学周辺の町並みへと足を向けるのだった・・・。

 既に日が暮れかけ周囲は暗くなり初めている中を2人は歩き続けていた。と言っても、特に当てがあるわけでもなく適当に進んでいるのだが・・・。
 岩夫 「さて、どこに行こうか?」
 みっつ 「まぁ、しばらくプラプラしようや」
 しばらく進むと、京都大学周辺だからか古本屋が目に付き始めた。古本好きのみっつは思わず、
 みっつ 「ここに入ろうか」
 と、言いながらも勝手に中に入っていった。店内は漫画と小説が半々くらいの品揃えだった。
 岩夫 「何か買うの?」
 みっつ 「いや、帰りのフェリーで読む本を探そうと思ってね」
 店内を歩き回るみっつの目に入ったのは「修羅の刻」の10巻セットであった。値段的も安く、買ってしまいそうな衝動に駆られたが、
 (確かにこれを買うと暇はしないだろうが、10冊で荷物になりまくるな。パスしよう・・・。)
 内心でそんな事を考えながら、結局みっつは無難に読みやすい歴史物の小説を2冊買う事にした。その後も、しばらく歩いた後に家へと戻った。
 みっつ 「岩夫、今日も自炊するの?」
 岩夫 「そんなの勿論だよ~。」
 みっつ 「じゃあ、俺にも分けてくれい」
 岩夫 「別にいいよ。その代わり、少し手伝って欲しいな」
 要望通りに適当に岩夫の手伝いをした後、みっつは居間の方でテレビを見ていたのだが、ちょうどボクシングの世界タイトルマッチがやっていて「ナニワのジョー」こと辰吉丈一郎の3度目の防衛戦だった。相手はタイのウィラポンというボクサーで現在(2004年3月)でも世界チャンピオンという実力者だった。
 岩夫 「みっつ君、何を見てるの?」
 みっつ 「ボクシングだよ!岩夫も見ろよ!」
 岩夫 「いや、興味ないからいいよ~。」
 分かっていた事だが、岩夫は海外サッカー以外には全く興味を示さない。みっつは岩夫の作った簡素な夕食を食べながらもボクシングを見ていたが、6Rで辰由がウィラポンにKO負けを喫し試合は終わった。試合内容もさることながら「ウィラポン」という名前も記憶に残るものだった。
 岩夫 「それじゃあ、そろそろ寝るかい?明日も午前中は観光するんだし」
 みっつ 「そうだな。早めに寝ておくか!」
 このように万全といえる状態で眠りについた2人だったのだが・・・。そして、翌日。
 岩夫 「みっつ君!みっつ君!早く起きろ~!」
 みっつ 「うるせぇな、岩夫。どうした?」
 岩夫 「どうしたじゃなくて、時間を見ろよ!」
 みっつ 「ん?げげっ!もう13時じゃないか!信じられん!!」
 そう、2人はものの見事に寝坊したのだった・・・。

 さてさて、テンション的に小説を書く気分ではなかったのですが今日中に異聞録の京都編を書き上げてしまおうと一大決心をしました。と、いうのも今週の土曜(2004年3月13日)から仙台へと旅行に行くので気分的に旅行の前に完結させてしまいたかったのです(汗)
 という訳で、次回は京都編も最終章。寝坊した2人が京都から大晦日の札幌へと帰るまでを書きたいと思います!次回の第13話「自宅で年越しを!」にご期待下さい!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ
           [製作協力] RYO 


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